飛び石 その2


オランダのある町がごみの問題に悩んでいた。

かつて清潔だったある区域が、人びとがくず入れを使わなくなったために、見苦しくなってしまったのだ。

タバコの吸い殻、ビールの空き缶、チョコレートの包み紙、新聞などのごみが通りに散らかっていた。

当然、清掃課は事態を憂慮して、街を清潔にする方法を考えた。

ひとつのアイデアは、ごみを散らかしたときの罰金を二倍にして、違反1件あたり25ギルダーから50ギルダーにすることだった。

実際に試してもみたが、ほとんど効果がなかった。

もうひとつの方法は、この地域を巡視するごみ捨て取締官の数を増やすことだった。

これもまた、似たりよったりの、つまり、「ごみを捨てる人を罰する」解決策で、効果はほとんど認められなかった。

あるとき、誰かがつぎのような質問をした。

「人びとがくず入れにごみを入れると、くず入れがその人たちにお金を払うとしたら、どうなる? 各くず入れに電子工学的な感知装置と、硬貨を払い戻す装置をつければいい。ごみをくず入れに入れた人には、10ギルダー払うことにしよう。」

このアイデアは、少なくとも、全員の思考にガツンと一撃を与えた。

「もしこうならば、どうだろう」と尋ねた人は、事態を「ごみを散らかす者は罰せよ」という問題から、「法に従う者に報いよ」という問題に変えたのである。

しかしながら、このアイデアには、ひとつ重大な欠点があった。

もし市当局がこのアイデアを実行すれば、破産はまぬがれない。

さいわい、このアイデアを聞いていた人たちは、それを実現性の面で評価しなかった。

むしろ、それを飛び石にして、自問した。

「ごみをくず入れに入れた人に報いるには、ほかにどんな方法があるだろうか?」

この質問は次の解決策を導き出した。

清掃課が開発した電子工学的なくず入れには、ごみが投げ込まれると、それを感知する装置がついていて、これがテープレコーダーを作動させ、笑い話を聞かせる。

つまり、笑い話をするくず入れというわけだ!

くず入れごとに話す笑い話はいろいろで(下手なだじゃれを言うものがあるかと思えば、とぼけた長話ををするものもあった)、たちまち評判を呼んだ。

笑い話は2週間ごとに変わった。

その結果、人びとはわざわざ立ち止まって、ごみをくず入れに入れるようになり、街は再び清潔になった。

ロジャー・フォン・イーク「頭にガツンと一撃」新潮社より)

飛び石 その1


飛び石とは、それ自体はあまりに突飛で現実的ではないが、別の独創的なアイデアの引き金になるような考えのことを言います。

ある大手の化学会社のエンジニアが、次のような質問をした。

「もし、家屋用のペンキに火薬を混ぜたら、どうなるだろう?」

まわりの人たちは呆気にとられたが、エンジニアは続けた。

ペンキは塗ってから3、4年たつとどうなるか、お気づきですか? 硬くなって、ひびだらけになり、はがすのに大変苦労する。もっといい落とし方があるはずだ。ペンキに火薬を混ぜれば、すぐにも家から吹き飛ばせる。

このエンジニアのアイデアは興味深かったが、ひとつ欠点があった。---あまり現実的とは言えなかった。

しかしながら、彼の話を聞いた人たちの行動は賞賛に値する。

彼のアイデアを実現性では評価しなかったのだが、現実的で独創的なアイデアに導く飛び石にしたのである。

彼らは考えた。

「古いペンキを落とす化学反応を起こすには、ほかにどんな方法があるだろう?」

この質問は彼らの思考に糸口をつけ、やがて、家庭用のペンキに添加物を混ぜるとうアイデアを導いた。

これらの添加物はそれだけでは作用しないが、ペンキが古くなってから、そのうえに、ほかの添加物を含む溶液を塗ると、この時点で、これら二組の添加物の間に反応が起こって、すぐにペンキが剥げる仕組みである。

ロジャー・フォン・イーク「頭にガツンと一撃」新潮社より)

頭のこわばりをほぐす


ロジャー・フォン・イーク「頭にガツンと一撃」新潮社は作家の城山三郎氏が惚れこんだ本で、もとはロジャー・フォン・イークが主宰するセミナーで管理職研修に使われていたテキストでした。

そのセミナーは大変な人気で、参加できないならせめてテキストだけでもという要望が多かったため自家版という形で出したところ、それが奪い合いになり、そしてそのことが話題となって、広く市販されることになるやたちまちベスト・セラーになりました。

中でも目次の章見出しは「頭のこわばりをほぐす10か条」ともいうべきもので、プリントアウトするなどして、常に手元に置いておかれてはいかがでしょう。

頭のこわばりをほぐす10か条

  1. 物事の正解は一つだけではない
  2. 何も論理的でなくてもいい
  3. ルールを無視しよう
  4. 現実的に考えようとするな
  5. 曖昧のままにしておこう
  6. 間違えてもいい
  7. 遊び心は軽薄ではない
  8. 「それは私の専門外だ」というな
  9. 馬鹿なことを考えよう
  10. 「創造力」は誰でも持っている


ブログの味は「仕込み」で決まる


長く書き続けるために~ネタ切れしないコツ~ 何より大切なのは、ブログのテーマを常に意識しておくことです。

意識していると自然とアンテナが張られ、外からの情報に対する感度がアップします。

テーマに即した情報が向こうからやってくるようになるわけです。

そうやって飛び込んできた情報やアイデアはメモの形にしてストックしておきましょう。

ここで参考になるのが次の文章です。

発見の手帳

 私たちが「手帳」にかいたのは、「発見」である。まいにちの経験のなかで、なにかの意味で、これはおもしろいとおもった現象を記述するのである。あるいは、自分の着想を記録するのである。それも、心おぼえのために、みじかい単語やフレーズをかいておくというのではなく、ちゃんとした文章でかくのである。ある意味では、それはそのままでちいさな論文---ないしは論文の草稿---となりうるような性質のものであった。


すくなくともそういう体裁をととのえている。そのような豆論文を、まいにち、いろいろな現象をとらえて、つぎつぎとかいてゆくのである。たまってみると、それはわたしの日常生活における知的活動の記録というようなものになっていった。


           梅棹忠夫 著 「知的生産の技術」(岩波新書)より


注意しないといけないのは

「心おぼえのために、みじかい単語やフレーズをかいておくというのではなく、ちゃんとした文章でかく」ということです。

こうして書きためた豆論文はいわばブログの部品です。

あとは部品を組み立ててブログの記事にするだけです。


大橋 悦夫「『手帳ブログ』のススメ」翔泳社


同じ失敗を繰り返さないようにするには?


同じ失敗を繰り返さないためには、次の三つの条件が必要だとされます。

  1. 考える材料として十分な知識があること

  2. その知識をもとにいろいろなケースを想定していくつものパターンの推論ができて、その中からいちばん適切な推論を選ぶことができること

  3. さらにその上に、たとえば自分の知識が十分であるか?とか、感情に左右されていないか?などと適切なモニターをするメタ認知ができること


メタ認知とは、「自分の行動や考え方、知識量・特性・欠点などを別次元から眺め認識する能力のこと」、言い方を変えると「認知している自分を認知すること」で、要するに「自分を客観的に見ること」です。

具体的には次のようなチェックリストを作ることが推奨されています。
  1. 自分の推論は自分の立場に左右されていないか

  2. 自分の判断は現在の感情の影響を受けていないか

  3. 自分の体験や知識に振り回されていないか

  4. 必要な知識や経験、能力が自分にあるか

  5. 他人の意見に振り回されていないか

  6. 注意が散漫になっていないか


これはブログの記事を書くときだけでなく、判断が必要なあらゆる場面で応用できます。

大橋 悦夫「『手帳ブログ』のススメ」翔泳社

自分の中から答えをあぶり出す質問のコツ


自分の本当の気持ち、自分の心の中にすでに持っている答えを上手に引き出すためには、「叡智を引き出す質問」が有効とされます。

「叡智を引き出す質問(ASK WHAT, NOT WHY )」は「WhyではなくWhatを使う」質問法です。

WhyをWhatと言い換え、かつ、答えが名詞になるような「前向きな」質問にセットするのです。

Why is this happening to me? どうしてこんな目に遭うんだろう?
what do I need to get through this? これを切り抜けるために何をすることが必要だろうか?

Why did she say that? どうして彼女はあんなことを言ったんだろう?
What could have made her say that? 何が彼女にあんなことを言わせたんだろう?

Whose fault was it? 誰の失敗だ?
What is the solution? 何が解決策なんだろう?


これをブログに応用します。

4行日記で「気づき」を考えるときに頭の中で「前向きな質問」を作り、これに対する答えをブログで書くのです。

小林 惠智著「一日5分奇跡を起こす4行日記―成功者になる!『未来日記』のつくり方」オーエス出版 (2002/11)より

毎日ひとつで気づけばスッキリ~林式微分整理術


林式微分整理術(林 晴比古「これならできる パソコン書斎整理術」ソフトバンククリエイティブ)を紹介します。

そもそも、室内はなぜゴミの山になるのでしょう。

ゴミはある日突然、山になるのではありません。

それは「ちょっと置いた」だけのものが、一日一日と積み重なった結果です。

つまり、

「ちょっと置いたもの」の積分値=ゴミの山

という等価式で表現されるわけです。

「ゴミの山」という積分値が出るのは

昨日より今日のほうが、ほんのわずか汚くなった

ということを繰り返すからなのです。

それなら、その微分値を0以下、すなわち

昨日より今日の方が、ほんのわずかだけきれいになっている

ということを保証すればいいことになります。そうすれば部屋は汚くなりようがありません。

具体的には
  1. 机の前に座るたびに、机上にあるものを何か一つだけ片付ける
  2. 室内に入るたびに、室内のものを何か一つだけかたづける
ことを習慣づけます。

  • 紙を1枚片付ける
  • 本を1冊片付ける
  • 放置されているボールペンを1本片付ける
  • モニターの端に貼ってあるメモを読んで1枚片付ける
  • 置いてあるものの縦横の耳を揃える
これだけで机の上や部屋の中は片付いていく計算になる...

これが林式微分整理術です。

小林 惠智著「一日5分奇跡を起こす4行日記―成功者になる!『未来日記』のつくり方」オーエス出版 (2002/11)より

楽しんでブログを書く


日々の仕事を楽しくする11のコツ

Name your vision. 実現したい、「ありたい自分」を明確にする
Set a creative goal that will keep you moving. ワクワクするようなゴールを描く
Begin the night before. 1日のスタートは前日の寝る前から
Get up early. 早起きする
Design a morning ritual and do it every day. 朝の習慣を決めて、欠かさず行う
Learn to do the Lifeboat Exercise. 普段とは異なるシチュェーションに自分を置いてみる
Set a theme for the day. 今日のテーマを決める
Practice relevance. 一見つまらなさそうな仕事の中にも自分の関心をひく要素を探す
Put on the headphones and crank up the volume. ヘッドフォンをして音楽の世界に身を委ねてみる
Surround yourself with who you are. 仕事場をお気に入りのアイテムで演出してみる
Be grateful. 何事にも喜んで


ブログを挫折してしまうのは、記事を書くことが苦痛になるからです。

逆に言えば、書くことが楽しければブログを続けるのは簡単です。

ここではブログにかぎらず何事も楽しく続けるコツを紹介しました。

なかでも①と②が大切です。

意識して取り組んで見ましょう。

小林 惠智著「一日5分奇跡を起こす4行日記―成功者になる!『未来日記』のつくり方」オーエス出版 (2002/11)より

毎日無理なく書ける4行日記のコツ


4行日記とは、小林 惠智著「一日5分奇跡を起こす4行日記―成功者になる!『未来日記』のつくり方」が提案する、1.事実 2.気づき 3.教訓 4.宣言 の型で書く日記のことです。

「4行日記」となっていますが、必ず4行で書かないといけないということではありません。

具体的には

1行目 【事実】 その日にあったことや自分がやったことを書く(出来事の記録)
2行目 【気づき】 その事実を通して気づいたことを書く(反省)
3行目 【教訓】 その気づきから導き出されたことを教訓としてまとめる(次の行動の指針をつくる)
4行目 【宣言】 その教訓を生かして、できている自分の姿を思い描く(イメージを描く)


たとえばある日の「4行日記」はこんな感じになります。

1行目 【事実】 比較的余裕のあるスケジュールでストレス少なめですごすことができた。
2行目 【気づき】 どうしたらストレス少なめですごせるか、という視点は重要な気がする。
とは言え、それが逃げになってもいけない。
どこか挑戦しがいのあるスケジュールであることも必要。
無難な中にも無謀を取り混ぜ、ゲーム感覚で取り組めるようなスケジュールにしたい。
3行目 【教訓】 ストレスにならない程度のチャレンジしがいのあるスケジュールを立てる。
4行目 【宣言】 私は自分のキャパシティをUPさせるために常にチャレンジを心がけている人間です。


こうして、4つの型に分けて考えることで文章が書きやすくなります。

小林 惠智著「一日5分奇跡を起こす4行日記―成功者になる!『未来日記』のつくり方」オーエス出版 (2002/11)より

自信を取り戻す その2

セルフトーク(心の中の口癖)を前向きなものに変えていくには3つの大原則があります。

「非論理性を正す」、「今、ここで考える」「ありのままを受容する」の3つです。

セルフトークを変える3原則

1 「非論理性」を正す

たとえば自分はいつも失敗する」といった思い込み。
失敗することはあるだろうが、いつもそうとは限らない。

こうした自分の非論理的な思考に気づき、セルフトークで論理的なものに転換していく。

「皆が自分をバカにしている」と考えている人ならば、「バカにしている人もいるが、そうでない人もいるだろう」とまず考えてみよう。


2 「今、ここ」で考える

過去にとらわれたり、逆に未来を考えすぎることは
ストレスを増幅させる要因になる。

自分がコントロールできるのは「今、ここ」でしかないことに気づこう。

たとえば、明日のプレゼンについて思い悩むなら、「今できる準備をやっておこう」というセルフトークを用いよう。


3 ありのままを受容する

自分の置かれた現状をまず受け入れよう。

他人と比較すると、人はより強くストレスを感じがちだ。

才能のある人や、経済的に豊かな人と自分を比べて落ち込んでいても、事態は何も変わらない。

他人は他人、自分は自分と割り切って、できるだけ自分のプラス面に目を向けることが大切。



日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 8/18号 [雑誌]より

自信を取り戻す その1


セルフトークで自分と対話する習慣を持てば、短時間で気持ちを切り替えることができます。

STEP1 (30秒)

深呼吸する

いすに腰掛けて、足は肩幅程度に開く。
手は楽な場所に置く。
目は半開きで、ゆったり呼吸する。
4つ数えながら鼻から息を吸い、8つ数えながら息を長く吐く。
それを3回繰り返す。
深呼吸は思考を切り替えるキッカケになる。


STEP2 (2分30秒)

「セルフトーク」を書き換える

自信を失った人の心の中には、
「どうせまたダメに決まってる」
「いつだって僕は失敗するんだ」
などといった非合理なセルフトークやマイナスのセルフトークがある。
これに気づき、合理的なセルフトークに置き換えていく。


※セルフトークとは心の中の口癖

根拠のない決め付けや、「どうせ思考」(どうせまた失敗する)などといった心の歪みを、セルフトークを書き換えることで前向きなものに変えていく。


日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 8/18号 [雑誌]より

返信メールを書く


要点を押さえ、好印象を与えつつ、すばやく返事を書く方法

STEP1 (30秒)

返信が必要なメールを選び、返信ボタンをクリックする。

内容は読まず、ただ返信が必要かどうかだけで決める。

STEP2 (2分30秒)

必要な部分は「引用」し、不要な部分は「削除」

返事を書きながら、相手のメールを読む。必要な部分は「引用」し、不要な部分は「削除」する。
この繰り返しで相手が求める内容の返事をすばやく書き上げる。

注意すべきこと
全体を読んで構成を考えてはいけない。
時間節約のため「読みながら」書く。
相手の名前・社名・数値等は手入力しない。
間違いを避けるため相手のメールからコピー&ペースト。

日頃からやるべきこと
不要メールの追放
何となく購読を続けているメルマガがあれば削除しておく。
フォルダで振り分け設定
仕事の種類や取引先に応じてフォルダを作り、自動振り分けの設定にしておく。
フォルダ名の前に「01」「02」などの番号を振っておくと、フォルダを番号順に並べられる。
単語登録を活用
間違いやすい珍しい名前、メール冒頭のあいさつ文などは単語登録しておく。
入力ミスが減って、時間を節約できる。


日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 8/18号 [雑誌]より

英語力を鍛える


手帳を英語でつけてみましょう。

分からない単語や言い回しを後から調べたりしているうちに、自然と英語力が身に付いていきます。

STEP1 (30秒)

翌日の予定など書くべき内容を整理する

11時からAさんと打ち合わせ

19時から英語レッスン(渋谷で)



STEP2 (2分30秒)

行動・予定を書く
余裕があれば長めの文章にも挑戦


1
1:00 meeting with Mr.A

19:00 English lesson in Shibuya



予定を英語で書く。
前置詞など細かい文法にはこだわらない。
分からない単語はローマ字表記で書き、後で調べればよい。
とにかく継続することが一番大切。


日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 8/18号 [雑誌]より

本を読む


3分で本を読む方法です。

ビジネス書など、短時間で読む必要のある本には効果的です。

STEP1 (30秒)
目次・前置き・後書き・図表などをざっと見る
目次・前置き・後書きさらにビジネス書などの場合は本文中の図表を見れば、その本の全体像を概観できる。
3分で読まねばならない場合は、目次を見て大体の内容を想像できる部分は読まない。
重要性が高そうな項目に絞り込んで読む。

STEP2(2分30秒)
「段頭・段末抜き読み法」で速読する
最初の一文
最後の一文
重要性が高そうだと判断した部分を中心に「段頭・段末抜き読み法」を用いて読む。
「段頭・段末抜き読み法」は、段落の最初の一文と最後の一文を読んでいく手法。
「キーワード連結法」を併用するのもよい。

「キーワード連結法」の手順
1. 文中のキーワードに注目
2. キーワード同士を結びつけて読む
3. 文章の全体像をつかむ
キーワードになりやすい単語は、
「漢字の羅列」「固有名詞」「カタカナ」「数字」など


日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 8/18号 [雑誌]より

机の上を片付ける

3分間で机の上を片付ける方法です。

完璧を目指さず、「ざっくり」片付けるのがポイントです。

STEP1 (1分)
60cm四方のスペースを作る
まず、手の届く60cm四方のスペースにあるモノをすべてどける。
そのほかのスペースにモノがあっても、とりあえずOKとする。
STEP2 (2分)
どかしたモノは「保存」「廃棄」「保留」の箱へ
どかしたモノ(書類・新聞・雑誌...)は、3つの段ボールに放り込む。
箱には「保存」「廃棄」「保留」のラベルを貼る。
廃棄の箱の中のモノはすぐに捨てる。
保留の箱の中のモノも、2週間程度の猶予期間を設けて、使わなければ思い切って捨てる。

3分間で片付けるための3か条
1. 「場所」を絞り込む
一度に全部片付ける必要はない。
今日、机の上を片付けたら、明日は左の引き出し、あさっては右の引き出し...と、順番に片付けていけばいい。
2. 完璧を目指さない
完璧に整理しようと思ったら、いくら時間があっても足りない。
仕事を進める上で必要な場所が片付いていたらとりあえずOKとする。
3. 最小の努力でできる方法を選ぶ
書類に穴を開けてリングホルダーに綴じなくても、揃えてクリップで留めるだけで用が足りるならそれで十分。
ムダに時間をかけないことが大切。

日頃からやるべきこと
時間を決めて捨てる習慣を
昼休みや帰宅前などの時間を「捨てるタイム」と位置づけて、モノの整理や廃棄を毎日行う習慣をつける。
モノの定位置(置き場)を決めておく
一つの仕事が終わったら、使った道具を元の位置に戻すクセをつける。
「他人目線」を意識して整理
書類などの大体の置き場所を、他人に説明ができるよう心がける。
自分が不在の時、緊急事態が発生しても電話で指示できる。


日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 8/18号 [雑誌]より

6観点リスト

6観点リスト


主体、客体、単数、複数、立場、能力、市場、仕入先
モノ 製品、素材、人以外の生き物
プロセス 人とモノの動き、役割、相互作用
環境 風土、取り巻く場、状況、時間、空間、構造
意味・価値 意味、価値、感性、感情、金、情報、強み、機会、ビジョン、ゴール
五感で認識するもの 色、形、音、におい、味、質感、食感、触感


人は短時間でアイデアを発想しようとすると、狭い観点で考えてしまうという傾向がある。

このため、SCAMPERで良いアイデアが浮かばなかった時は、別の観点で考えてみるのが効果的。

その一つが6観点リスト。

たとえば、「人」の仕入先の項目からは、「仕入先を絞り込んでコストを下げる」といったアイデアが生まれる。


日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 8/18号 [雑誌]より

アイデアを出す

短時間にアイデアを出す必要に迫られた時に役立つのが「SCAMPER」と呼ばれるツールです。

これを使って3分でアイデアを出す方法を紹介します。

STEP1(30秒) 課題を単純化する
解決したい問題を紙に書く
発想しやすい単純な文にする
「○○するにはどうしたらいいか」
の形に言い換える
 
STEP2(2分30秒) 「SCAMPER」のリストを見ながら思いつきを書く
SCAMPER」のリストのうち、自分が考えるテーマのヒントになりそうな項目をチェックする。
最初から質の高いアイデアを考えようとせずに、思いつきをすべて書き出してみる。

人に説明できるように整理する
書き出したアイデアを実行したときに生じる良いこと、悪いことについて考える。
人に説明できるように考えることで思考が整理されていく。


日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 8/18号 [雑誌]より

SCAMPERを使って短時間でアイデアを出す


「ブレーンストーミング」の提唱者、アレックス・オズボーンの流れを汲む人たちによってまとめられたリストで7つの問いから構成されている。

Substitute
(代える、代用する)
S1:代用可能な部分はどれか。
S2:何を代わりに使うことができるか。
S3:ほかに誰を含めることができるか。
S4:ほかにどんなグループを含めることができるか。
S5:代わりにどんなプロセスを使うことができるか。
S6:かわりにどんなマテリアル(モノ)を使うことができるか。
Combine
(組み合わせる)
C1:何を組み合わせることができるか。
C2:ブレンドする(混ぜ合わせる)ことはできるか。
C3:どんな種類のアンサンブル(取り合わせ)を使うことができるか。創ることができるか。
C4:部分同士を、どのように組み合わせることができるか。
C5:目的同士を、どのように組み合わせることができるか。
C6:アプリケーション(応用方法)同士を、どのように組み合わせることができるか。
C7:マテリアル(モノ)同士を、どのように組み合わせることができるか。
Adapt
(適応させる)
A1:これは、ほかのどのような考えを思いつかせるか。
A2:何かほかに、これに似たものはないか。
A3:過去に似た状況はないか
Modify
(修正する)
M1:さらにひねり(予想外の展開)を加えることができるか。
M2:その意味合いを、どのくらい変えることができるか。
M3:色や外形を、どのくらい変えることができるか。
M4:サウンド(音、騒音、音声)を、どのくらい変えることができるか。
M5:何を加えることができるか。
M6:高さ・高度をどれくらい増やせるか。
M7:重さをどれくらい増やせるか。
M8:強度をどれくらい増やせるか。
M9:頻度をどれくらい増やせるか。
M10:価値をどれくらい増やせるか。
M11:何を減らすことができるか。
M12:何を縮小することができるか。
M13:何を簡素化することができるか。
M14:控えめに言うことができるのは、どんな部分か。
M15:サイズをどれくらい小さくできるか。
M16:重さをどれくらい軽くできるか。
Put to other users
(ほかの使い道)
P1:そのままで、何かほかに使えないか。
P2:もし一部を変えたら、新たに生まれるほかの用途は何か。
P3:ほかにどんなマーケットが受け入れるか。
Eliminate
(省略する、除去する)
E1:何を取り除くことができるか。省略することができるか。
E2:ある部分がない時、どうやって実行するか。
E3:何を犠牲にできるか。
E4:あげて(与えて)しまえるものは何か。
Rearrange
(再調整する)
R1:ほかにどんなパターンが使えるか。
R2:ほかにどんな配置が使えるか。
R3:ほかにどんなレイアウトが使えるか。
R4:何を交換できるか。
R5:何を置換できるか。言い換えられるか。
R6:何を再結合できるか。
R7:逆にしたらどうなるか。
R8:上下逆さまにしたらどうなるか。
R9:内外を裏返したらどうなるか。


日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 8/18号 [雑誌]より