私たちはふつう、過去は背後にあるもの、未来は前から近づいてくるものというイメージを抱いている。
ところが、アンデス高原に住むアイマラというネイティブアメリカンの考えはまったく逆だ。
過去はすでに見たものだから前にあるが、未来についてはまだ見たことがないから後ろにある。
未来は分からない。
だから先を思って心を煩わすのは時間の無駄だ。
彼らはこう考えている。
だから、バスも、ちっとも来ない友達も、半日でものんびりと待っている。
「もっと時間があったなら!―時間をとり戻す6つの方法」 シュテファン・クライン 岩波書店