フランスの思想家モンテスキューは、「法の精神」
モンテスキューほどの第一級の知性の持ち主が、20年もかけて考えたことを、どうして私たちが、1時間や2時間の飛ばし読みで理解できるだろうか?ましてや、速読法で1分間に30ページというような猛スピードで目に焼き付けるなどして、分かると思うほうがおこがましい話だ。それは極上のボルドーをイッキ飲みするような、恥ずかしい、下品なことじゃないだろうか?
もちろん、書くほうが20年かけたからといって、20年かけて読まなければいけないということはない。1週間で読み終わったならば、それでも構わないだろう。しかし、私たちは、著者の20年に対して、やはり謙虚な気持ちを忘れるべきでない。
「法の精神」
平野啓一郎 「本の読み方 スロー・リーディングの実践」 PHP新書
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