完了の技術

些細な気がかりがたまっていくと、人はそれに気が取られて行動が鈍っていくか、ひどい時にはまったく動けなくなってしまいます。

些細な気がかりは「未完了」といわれるもので、憂鬱の最大の原因はこれです。

「未完了」が増えていくと気分が重くなり、イライラしたり、寂しくなったり、自信がなくなったり、人と会うのが面倒になったりします。

人を行動に向かわせるためには、「未完了」を「完了」させる必要があるのです。

具体的には次の各ステップで進めます。
ステップ1:自分の中での未完了を50個書き出す

あなたがやろうと思ってなかなか手をつけていないこと、できていないこと、気になっていることなどの「未完了」をすべて書き出します。
ことの大小は関係ありません。
未完了を頭の中に入れておくとかえって整理できません。
逆に気持ちが焦るだけです。
ここではまず未完了を頭の中に出すことを優先します。

例)
  1. 歯医者に行く
  2. 次の日に着る洋服を前日に準備する
  3. パソコン内のデータを整理する
  4. 部屋の掃除をする


ステップ2:1週間で完了できることを10個選ぶ

ステップ1で書き出したリストの中から1週間でできる簡単なものを10個選びます。
まずは10個減らすことが目的なので、「よっこらしょ」と重い腰を上げるようなテーマはとりあえず後回しにします。
ここでは行動に流れを起こすことが大切なのです。


ステップ3:選んだ10個について、1週間後に完了した時の自分の姿をできるだけ具体的にイメージする

選び出した10個について、どこまでやったら「完了」扱いにするかを自分で決めます。
テーマによっては生涯続くものもあるため、最終的な完了状態ではなく、「ここまでやったら完了にしよう」という目安を作っておくのです。
たとえば「うそをつかない」を選んだとして
  1. うそをついても、気が付いた時点で訂正できればOKとしよう
  2. 人を幸福にするうそはうそではない。そう決めた!
  3. まずは、1週間これを続けよう。そしてまた、その時点で見直してみよう。

このように、いったん完了した状態を決めてからスタートすることが大事です。


ステップ4:選んだ10個を1週間で完了させる

まずステップ2で選んだ10個を完了させることに集中します。
「未完了」を「完了」させて「行動の流れ」を起こし、自分の行動へのスピード感を楽しむのです。
やがて「よっこらしょ」と力を入れなくても、動きが自然に始まり、そして加速するようになります。
そうなることを目標に、簡単なことからでも始めてみましょう。
「未完了」を一つ「完了」させるだけで、自分自身を堰き止めていたものが外れ、水が流れ出すように行動が始まるのです。


ステップ5:そして次の10個を選ぶ

10個の「未完了」を「完了」できたら、次の10項目を書き出し、期限を決め、その項目を達成するために必要な具体的な行動内容を定めます。
ポストイットに書き出し、目に付くところに張り出すのも効果的です。
1回目に選び出したときより、時間のかかる項目も出てくるでしょう。
しかしその一方で、1回目より2回目のほうが行動の流れに乗れているはずです。
エネルギーを集中して「未完了」を「完了」し続ければ、夢や目標は確実に自分に近付いてきます。

(小野仁美「自分は自分で変えられる―『理想のあなた』になるセルフ・コーチング」PHP研究所を参考にしました)

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